古くからわさび栽培に定評のあった御園の地
御園で「山城ワサビ園」を営む山城良治さんは、三代続くわさび農家。山城さんの家系は有名なワサビ産地でもある静岡県伊豆半島河津町出身で、祖父母の代にわさび栽培に適した場所を探し求め、東栄町に移住しました。
御園では古くからわさび栽培が行われており、「新屋のわさび」(新屋はかつてのわさび農家だった民家の屋号。東栄町では各民家に屋号が付けられていることが多い。)として評判だったそう。わさび栽培に一番大事なのはきれいな水。山城さんは「畳石式わさび田」と呼ばれる栽培方式を採用しており、土地の斜面を利用して階段のように傾斜を設けて、常に上段からこのきれいな湧水が流れる仕掛けになっています。
水がきれいな山のまち東栄町では、独特の淡く美しいきみどり色で辛味が効いたわさびも名産品なんです。
出荷は年間2万本!自然を相手に孤軍奮闘しながらわさび田を守る
山城さんはこの地で40年に渡りわさび農家を勤め、現在は1人でわさびの栽培・出荷を行っています。肥料もなく、ただ水の清らかさを命に栽培するわさびですが、繊細な自然環境や渇水や台風などの天候に翻弄され、苦労も多いとのこと。近年の大雨でもわさび田の一部がダメージを受け、復旧に苦労されたそうです。
年間を通じて2万本を栽培し、主に大阪へ流通している他、山城さんのわさびは町内の飲食店でも使われています。
和食だけでなく、肉やさまざまな食材に新しい味の角度を与えてくれる、わさびという日本が世界に誇る食材。今後もグルメのまち東栄町の可能性を広げてくれるそうな活躍に期待したい、まち自慢の名産品です。ぜひ町内で山城さんのわさびに出会ってくださいね!
同じ御園地区のすぐ近くにあるそば処「茶禅一」でも山城さんのわさびが使われています。これぞ、地産地消。蕎麦もわさびも同じ山の水を使って作られているんですね。ピリリとさわやかな辛味が効いたわさびが、人気店のおいしさを支えています。
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(曜日や季節によっては予約が必要な場合があります。)
国道151号沿いの「JA愛知東東栄直売所」の食堂で食べられる「わさび丼」には、山城さんの小わさび1本付き。温かいご飯の上にかつぶしがかかっただけの丼に、鮫皮おろしを使って自分ですりおろしたわさびと、しょうゆを好みの量でかけていただく、シンプルだからこそ素材の味が堪能できる贅沢ご飯です。鼻にツンとくるさわやかな香りと辛さを楽しんでください。味噌こんにゃくと味噌汁も付いて500円(税込)といううれしい価格。
同じJA直売所食堂でデザートにぜひお試しいただきたいのが「わさびソフトクリーム」。シャープな辛さがクリームの甘さと絡み、口の中で広がる味が楽しめます。わさびのシャキシャキとさわやかな食感に涼しさを感じるスイーツです。300円(税込)。
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